ゲームオブスローンズの世界を楽しむための解説

ジョン・スノウ、デナーリス・ターガリエン、ティリオン・ラニスター、サーセイ・ラニスター、ジェイミー・ラニスター。シーズン1から最終シーズンまでの主要人物である5人に関する伏線についての考察。壁の北の戦い、ウェスタロスの鉄の玉座を巡る戦争、デナーリスの玉座奪還の3つの軸のつながりについて。伏線を楽しむための解説。

カテゴリ: シーズン1

【インサイドストーリーより】

死刑を宣告するものが自ら手を下す。それがスターク家のしきたりでネッドの人柄も表している。リーダーが手本を見せるのがスターク家の気風だ。ネッドはシーズン1の礎石となる人物。物語のほとんどが彼を中心に展開する。

ネッドとロバートバラシオンは幼馴染だ。二人は若い頃から兄弟のように育てられた。一緒に酒を飲んだり女の子を追いかけたり。戦にも一緒に行った。ロバートがはるばる訪ねた理由は新たな「王の手」が必要になったからだ。彼は当然、ネッドを選んだ。

デナーリスは幼い頃、祖国を追放されたが、本人は覚えていない。狂王エイリス・ターガリエンの末娘だ。父も家族も祖国も知らない。兄のヴィセーリスしかいない。彼女は兄に育てられた。ヴィセーリスの目的はただ1つ。奪われた父の玉座を奪い返すことだ。彼女が頼れるのは兄だけだ。だから冷酷なヴィセーリスにどんなに虐待されても言いなりになるしかない。逆らえばもっとひどい目に遭うからだ。

彼女は人生の目的や本当の自分を探している。彼女の奥深くには、眠っている何かがある。そして彼女はそれに気づき始めている。ドラスク人の中に放り込まれてドラゴンの卵を見た時、彼女はこう考え始める。「自分の属する場所があるはずだ」と。彼女が王国に戻る気になったのは自分のルーツを知るためだ。

ジョンはウインターフェル城で育ったがスターク家の一員ではなく落し子だから苦労もあった。特権ある貴族とともに育っても彼自身は貴族じゃない。そのせいでジョンは劣等感を抱えて生きている。ジョンに将来はない。あるのは兄弟の情けだけだ。彼とロブの絆はとても強いが居場所がないという思いが常にある。彼には本当の将来がない。

①ヴィセーリスとジョラーの会話

ここではジョラーが人身売買の罪でスターク家によって裁かれることから、逃げ出したということが語られ、スターク家と因縁の深い人物だと分かる。ジョラー・モーモント。モーモント家の人間は今後も登場する。この逃走がジョラーの家族の人生にも影響を与えたので、モーモント家の人が登場したら、ジョラーとの関係についてもおさえておきたい。

②ラニスター家が一同に会する食事

サーセイ、ジェイミー、ティリオンの3兄弟。そしてサーセイの隣に座るのが娘のミアセラ。ジェイミーの隣に座るのはジョフリーの弟のトメン。彼ら3人はロバート王の子供であるのでいずれも名字はバラシオン。ミアセラとトメンは後のシーズンで成長した姿で物語に関係することになる。

③サーセイが語る子供の話

キャトリンに熱病で亡くなった長男の話をするサーセイ。このときサーセイは長男を美しい黒髪の子と言っている。しかし、後に生まれた子供3人はいずれも金髪である。

④ジョンと兄弟たちの関係

アリアはジョンのことをとてもよく慕っているようだ。第1話では、ブランはジョンから弓を教わっているし、リコンもそれを見て楽しそうにしている。ロブとは一番、年齢も近いし、正妻の子供であるかどうかは彼らの絆の深さになんら影響していないようだ。別れのときに、スノウ、スタークと呼び合うところには、そういう事情すらも乗り越えた二人の結束が見えた。ではサンサはジョンのことをどう思っているのか?・・・この答えはシーズン6にわかることになる。

⑤ジョンとキャトリンの関係

夫がよその女に生ませた子供に対して、自分の子供と同じように接するのは難しいというのは容易に想像がつく。ジョンも十分にそれをわかっている。キャトリンがジョンのことをどう思っているかは、後のシーズンで語られる。

⑥ネッド役のショーン・ビーンさんの演技の凄さ

次に再会したときに母親の話をしようと、ネッドはジョンに告げる。それでもって、ジョンの母親についての真相が明らかになったあとこのシーンを見返したときに、ショーン・ビーンさんのお芝居に鳥肌がたつ。シーズン1の段階で(ネッドは当然知っているとしても…)ショーンさんがジョンの母親の設定を知ってたかどうかはわからないが、まったく矛盾のない芝居になっている。

⑦ジョンとティリオン

ティリオンはジョンのことを落し子とよび、ジョンはティリオンのことをインプとよぶ。このときの会話を振り返るシーンがずっと先のシーズンで登場する。

⑧ブランの暗殺に使われようとした短剣はいったい誰のものか?

⑨スターク家とダイアウルフ

アリアがこのとき逃がしたダイアウルフの名前はナイメリア。サンサのレディはその代償で殺されてしまった。ジョンのゴーストを含め、兄弟たちのダイアウルフがどのように主人を助けるのか、はたまた助けれないのか。第2話では、サマーがブランの命を救った。

<インサイドストーリーより>

キャトリンとサーセイがブランの部屋で会話するシーンを見れば、サーセイという人間の複雑さが分かる。彼女の身の上話を聞き、僕らは同情しそうになる。そもそもブランをこんな目に遭わせたのは他でもない彼女なのに。

ずる賢い女だが息子を失った時の話は本当だろう。彼女の持つ二面性がキャラクターに深みと魅力を与える。彼女の目的は分からないが不可解な人物だ。人を操るのが好きだとは限らない。確かに人を騙すこともう嘘をつくことも多いが、人間味を感じさせる瞬間もある。

ティリオンの兄ジェイミーは優秀な剣士だ。七王国で屈強な騎士としてその名を知らしめラニスター家に名誉をもたらした。当然ティリオンは兄と正反対だ。彼は肉体面では何もできない代わり、人並み外れた頭脳を持っている。彼は弱点を克服するより強みを最大に生かす方を選び、日々教養を磨いている。

ティリオンは本が好きで世界の動向に興味がある。そしてこの世界で一番彼が興味を引かれるのは高くそびえる氷の「壁」だ。何千年も昔に作られた。彼は宮廷に出入りすることや政治にはあまり興味がない。彼が価値を見出すものはほかにある。

ネッドは感情をあまり表さない。子供を愛していても頻繁に言葉に出すタイプじゃない。ジョンのことも愛しているが、彼に対しては特に、正直に愛情を伝えられる機会はほとんどない。ジョンの行き場は他にない。ネッドはジョンにとって最適だと思う道を与える。過酷な任務なのを承知で。

ジョンは冥夜の守人の話を聞いて育った。彼の頭の中では、冥夜の守人は英雄だ。人々をモンスターから守る北部の勇者たちだと思っている。だが現実は違い彼らの士気は落ちていた。ジョンが思い描く英雄像は時代遅れだった。

①ジェイミーとネッドの会話

なんらかの理由で王都に呼び出された、ネッドの父と兄は狂王によって火刑に処され、命を落とした。狂王の娘であるデナーリスが後に、この件についてスタークの関係者の前で言及している。

ジェイミーはロバートの反乱の際に、その狂王を後ろから刺し殺した。王殺し、キングスレイヤーと呼ばれることになる。

②小評議会のメンバー

小評議会とは閣議みたいな感じ。ここの4人はしっかりと認識しておいたほうがよい。

・ヴァリス…宦官。ウェスタロスに限らず、遥か東の大陸にも張り巡らせている「小鳥」と呼ばれる存在によって諜報活動を行っている。彼は何でも知っている人という認識でだいたい間違いない。
・リトルフィンガー(ピーター・ベイリッシュ)…娼館のオーナー。財務大臣的なポジション。策略家。頭脳派。ゲームオブスローンズの世界を楽しむために欠かせない一人。彼が誰に何を言ったのか、誰に何をしたのかというのが全部伏線になっている…そのすべてを覚えておくのはとても難しいが、できるだけ彼の言動はしっかり抑えておきたい。忘れた頃にその言動の真の目的が判明したりする。
・レンリー・バラシオン…ロバート王の二人いる弟のうちの一人。彼の本格的な出番はシーズン2から。
・パイセル…グランドメイスター。グランドメイスターというのは、日本の役人や閣僚のポジションでぴったり当てはまるものがないので説明がむずかしい。知識を誰よりもいっぱい持っている偉い人で、使い鴉を送ったり受け取ったりしてる人。

③ハウンド

ハウンドと呼ばれているのは、サンダー・クレゲイン。ウインターフェルでもジョフリーの側に控えていた。第2話では、ジョフリーがナイメリアに腕を噛まれた現場にいた、アリアと剣の稽古をしていた少年マイカーを捕らえて殺した。マイカーを殺したハウンドは、アリアにとって殺したいほど許せない人間になった。

④ブランと鴉

ホワイトウォーカーの話を聞かされるブラン。このことは後の人生と関係があるかどうか。そして鴉は。

⑤ブランの暗殺未遂に使われた短剣

キャトリンはリトルフィンガーの情報によってティリオンに疑いを持つことになる。このことを教えたリトルフィンガーの真意はどこにあるのか。

⑥ナイツウォッチの総帥

彼はモーモント総帥と呼ばれている。ジョラーの名字もモーモントであるが、この二人の関係は?

⑦ロバート王と話している老人

彼はキングズガード(王の盾)の一番偉い人、バリスタン・セルミー。キングズガードは王やその家族を守る人たち。

⑧デナーリスの妊娠を知ったときのジョラーの行動

「クォホールに行かねば」とジョラー。目的地と違う場所に向かおうとする彼の目的は何か。

⑨アリアとシリオ・フォレル

アリアの剣の道はここから始まる。シリオがブレーヴォスの剣士であったことが、アリアとブレーヴォスの初めの接点であったかもしれない。

 

 

 

【インサイドストーリーより】

第3話ではジョンが現実に気づき始める。自分は人より幸運だという現実だ。最初のうちジョンはこう感じている。「自分は何をやっても他の者より優れている」と。だから自分が一番強いのに他の者より優遇されないのを不満に感じている。ティリオンに「お前と違い武術指南役がいなかったし剣を持ったこともなかったからな」と言われて、彼は初めて自分がいかに恵まれた環境で育ったかを知る。

ジョンは人生の大事なレッスンを学ぶ。今まで彼は自分は他より劣っていて差別されていると思っていた。ところが彼よりずっと過酷な環境で育った人々がいた。落とし子としての人生は楽ではなかったが城で暮らし裕福だった。彼は自分より苦労している人たちが世の中に大勢いると気づく。彼はそれをつらい経験から学ぶがおかげで人間として成長する。

デナーリスは奴隷制度を心から嫌っている。兄のもとで何の権利も持たずに育ったから奴隷たちの気持ちが分かる。彼女はずっと兄の言いなりだった。彼女は苦しい環境で生き虐げられている人々に深い同情の念を寄せる。そこが彼女の最大の魅力だ。

彼女は兄の所有物として扱われてきた。だから奴隷たちに親しみを感じる。同じ人間としてみることができ、彼らに共感することができる。彼女自身も奴隷だから。そして他人の所有物でいるのはよくないことだと気づき始め、自由への憧れが芽生える。その憧れはやがて彼女の人生を大きく変えていく。

アリアが育った世界では女性の地位があまり高くない。剣などもっての他だ。彼女がやりたいことは何もできない。剣はその最たるものだ。だから剣を持つことを父が許してくれたのは、彼女にとって大きな出来事だ。「剣の扱いを学んだほうがいいな」と父ネッドは言う。これは自分の運命は自分で決めろという意味だ。好きなように生きることを父が許してくれたおかげで彼女の未来にいろんな可能性が見えてきた。

①ブランとホーダー

ホーダーは「ホーダー」としか言葉を発しない。それは先天的なものか?それとも、ある時から「ホーダー」としか言えなくなったのか?第1話で王の一行がウインターフェルにやってきたときも、ホーダーはブランの側にいる。ブランにとってホーダーは欠かせない存在であり、ホーダーにとってブランは人生の一部といってもよい。ホーダーの真実が明かされたとき…私は涙がとまらなかった。何度、見返したか分からない。ホーダーとブランの主従関係には是非注目しておきたい。

②シオン・グレイジョイは捕虜であること

シオンの抱える状況は複雑である。親が起こした反乱の結果として、スターク家に捕虜として暮らしているが、不自由な暮らしを強いられているようには見えない。第1話でジョンに対して皮肉を言えるくらいであるので、不遇な扱いは受けず、スターク家の兄弟の一人であるかのように育ってきたことが想像できる。「スターク家の一員でありながらスタークではない」。このロジックに縛られてきたのはジョンだけではない。シオンの今後の人生の荒波は、このロジックによって引き起こされていく。

③サムウェル・ターリーとターリー家

第3話の、ロバート王とバリスタンの会話の中にターリー家が登場している。

④ジョラー・モーモントの過去

ここでは、妻が浪費家であったために奴隷を売ったということが語られている。ジョラーはそのことで家名を汚し、ネッドに追われることになったということを改めて認識しておきたい。

⑤ヴィセーリスと侍女の会話

「服を着替えるように顔を変えられる男」。それは一体どんな存在なのか?

ヴィセーリスが最後に見た、最後に羽化したドラゴンたちは骨が小さく犬の頭蓋骨ほどしかなかった。しかし、それ以前の頭蓋骨は遡る毎にどんどん大きくなっていく。ここからわかるのは、ターガリエンのドラゴンはどんどんと力を失っていったということだろう。

⑥サンサの祖父と伯父は玉座の間で狂王エイリスによって殺された

ネッドにとっては、父と兄にあたる。

⑦「種は強い」とはどういう意味か?

亡くなったジョン・アリンが最後に残した言葉。ネッドは、その言葉の真意を探りはじめる。

⑧サムが語る、ナイツウォッチになることになった経緯

「18回目の命名日の朝、父が来て、『ほとんど大人だ。だが領地と身分は相続させん。明日、相続権を放棄し黒衣を着て北へ向かえ。そうしないなら、狩りを催す。森の中で馬がつまずき、お前は落馬して死ぬ。母親にもそう伝える、楽しみだな』と」。何故、サムはナイツウォッチにならなければいけなかったのかが語られている。この経緯は頭にいれておきたい。

⑨ジェンドリーが語る母の特徴

母は黄色の髪だったが、ジェンドリーと父ロバートは黒髪である。

⑩パイクの包囲戦

これは流してしまいそうな情報だが、今後たびたびこの戦いは語られる。シオンの父、ベイロン・グレイジョイが起こした反乱。「ミアのソロスが燃え立つ剣で襲ってきた」。ミアのソロスとは誰か?燃え立つ剣とはどういうことか?

⑪ハウンドの過去。マウンテンとの確執

ハウンドが6歳のときに、兄マウンテンに燃える石炭に顔を押し付けられた。その確執は現在も解消されていない。

⑫双子の塔の、ウォルダー・フレイ

90回目の命名日に新妻とは、どんなじいさんであろうか。

 

 

 

【インサイドストーリーより】

デナーリスが兄に刃向かう。ずっとためてきた我慢がついに限界にきたんだろう。ヴィセーリスは玉座を奪い返すなんて言っているが、ケンカでは妹にも勝てない。彼女は「鉄の玉座」の後継者で自分には秘められた力があると気づく。

誰にも逆らったことがないサムウェルにジョンは気をもむ。弱いものがいじめられ殴られているのは、ジョンの正義感が許さない。ジョンはリーダーとして生まれつきの才覚がある。アリザー・ソーンは冷酷な武術指南役だ。長年指導してるうちに名誉を失い情熱が冷めてしまった。ジョンのほうが指導能力に優れている。彼は腕のいい戦士が欲しいし、友達に成功してほしい。2人は親友になる。

登場人物の多くは、話に聞いていた世界と現実の違いに幻滅する。サンサは太子の態度にがっかりし騎士に対する尊厳も失せた。現実は残酷だった。最初は夢のようだった。父のために行われた試合を王のすぐそばで見られる。彼女の願いはいつもかなうように見えて、毎回思わぬ結果となる。本で読んだ馬上槍試合は騎士による優雅な競技だった。だが現実は血なまぐさい。

過酷な現実に直面するのはブランも同じだ。本人は気づいていないが、彼は足を失った代わりに別のものを得た。彼の中で何かが変わり、見えないはずのものが見えるようになる。三つ目の使い鴉がその例だ。この先、これは重要なシンボルとなる。

①トライデント河の戦いにおけるバリスタン・セルミー

現在、バリスタンはロバート王の楯であるが、それ以前にターガリエン家が王位にあったころからこの職に就いている。したがって、ロバートが反乱を起こした際には敵側にいたことになる。ネッドとバリスタンはお互いの強さについて認め合っている。ジェイミーがネッドに騎士として戦いを挑んだことから考えてみても、この世界において騎士としての強さは、誉れの象徴であることがわかる。

②マウンテン対ハウンド

馬の首を大剣で躊躇なく切り落とすことからも、マウンテンの残忍さがわかる。ハウンドの顔面にやけどを負わせた子供の頃の行動に矛盾しない。弟であるハウンドとの対決は、ぜひ目に焼き付けてほしい。その残忍さが際立つマウンテンと対比して、ハウンドの行動をみたときに、彼が内に秘める正義感や芯の強さが感じられる。

③ヴァリスが語るジョン・アリンの死の真相

毒薬「ライスの涙」は透明で無味、痕跡も残らない。ではその毒を盛ったのは一体だれか?

④地下でアリアが目撃した人物

ひとりはヴァリスで、もうひとりはイリリオ。彼は第1話で、デナーリスとドロゴを引き合わせた人物。

⑤アリアが門番に止めれるシーン

明らかにここでの構図を意識したシーンが、後のシーズンに登場する。見返さないと気がつかなかった。

⑥ジョラー・モーモントのヴァリスへの密告

デナーリスの妊娠を知ったときに、ジョラーが隊を離れて寄り道したのはこのためと推測できる。

⑦ライサと手紙

ライサはキャトリンの妹で、ジョン・アリンの妻。第1話で、キャトリンの元に彼女からの手紙が届いている。

⑧レンリーとロラス

馬上槍試合のときに、リトルフィンガーがレンリーに言った言葉の意味がこのシーンからわかる。そして、ロラスにとってはレンリーとのこの関係が命取りになる。

【インサイドストーリーより】

ティリオンの拉致は世界一の大富豪への宣戦布告を意味する。息子が拉致されたことをタイウィンが知れば余波は必至だ。キャトリンの行動にライサは激怒する。彼女はラニスター家が夫を殺したと信じている。玉座を狙っていると。二人は仲のいい姉妹だったが久しぶりの再会だ。子供の頃から衝突はあった。もう昔の妹じゃない。

この世界の戦いは通常、馬と剣を使って行われる。だがリトルフィンガーとヴァリスの戦い方も重要だ。リトルフィンガーは魅力的だが危険な男だ。二人は常に策略を練っている。相手の裏をかき様々な陰謀をたくらんでいる。二人は敵対しているが、お互いを尊敬してもいる。リトルフィンガーは相当な野心家で貧しい土地の出身だが出世欲が強い。宦官のヴァリスも腹黒いが、彼は意外にも王国のことを第一に考えている。

ネッドは子殺しを嫌い、デナーリスの暗殺に反対するが、ロバートは王座を守るためなら手段を選ばない。ロバートは不従順なネッドに憤慨する。王の命令は絶対だから、ロバートはネッドの言い分などバカらしいと思っている。覇権を維持するには流血は避けられない。ここがネッドの転機点になる。ネッドのロバートへの忠誠は限界に達し、「王の手」をやめる。これ以上関わりたくなかったからだ。

キャトリンがティリオンを拉致したため、ジェイミーは晴れてネッドと戦う理由ができた。ジェイミーはネッドをライバル視している。正々堂々と戦って自分の強さを証明したい。西部劇でよく見る決闘シーンみたいなもので勝負の行方は予測できない。ネッドを襲うという行為はスターク家に対する宣戦布告までの第一歩だ。だがジェイミーは戦ってみて、ネッドの強さを思い知る。戦い続ければ死ぬのは自分かもしれない。邪魔が入ってなかったらどちらが勝っていたかは誰にも分からない。

↑このページのトップヘ