<インサイド・ストーリーより>

タイウィンは陰の実権を握っている。ロバート・バラシオンの死後、独裁状態だが初めて王都で実権を握る。現代のCEOと似た立場だ。会社を経営しながら、誰がボスかを見せつけ、皆の警戒を解かせ油断させようとする。そこで彼は小評議会のメンバーに座席争いをさせて、皆の考えを探る。それで視聴者にも多くが伝わる。

タイウィンは真の実力者だ。皆できるだけ近くに座りたい。野心家のリトルフィンガーは真っ先に一番近い席に座る。ヴァリスはあきれるが、いまさら驚きはしない。リトルフィンガーならごく当然のことだ。パイセルはグランドメイスター(上級学匠)としてただ生き残りたいだけ。サーセイも来るが、ルールにはとらわれない。並べられた椅子を見て、他と並ぶのを拒み父の隣に椅子を移す。そしてティリオンが現れ、どこに座るか注目を集める。ティリオンは時に父に反抗を示す、数少ない人物の1人だ。父には近づかず一番離れた遠くの席を選び、テーブルの反対側まで椅子を引きずっていく。まるで冗談だ。セリフのないこの場面にそれぞれの人柄が出る。

デナーリスは優しい半面、非情だ。野心もある。リトルフィンガーの野心と同じではない。ジャンヌ・ダルクのような使命感のある野心だ。それは誰にも止められない。達成のために犠牲となるのは、身近な存在だ。

ドラゴンを手放すなんて考えられない。しかも最大のをなんて。スクールバスより大きくなり、大量破壊兵器並みの威力だ。数分で町を破壊できてしまう。8000人の軍隊がいかに大きく有能であろうと、町一つ破壊するには犠牲を伴うかもしれない。軍隊1つを手に入れるために、未来を手放すなんて正気の沙汰とは思えない。

ジェイミーは天才だから尊大だ。単にウェスタロスで一番裕福な一族だから尊大になるのではない。剣の腕は負けない自信があったし、最年少の「王の楯」だ。伝説の剣士、最高の騎士。だから彼を嫌う人でも剣の腕は認めざるを得ない。それを失う。

原作者のジョージがよく使う手法だ。そこがジョージの知的であり面白いところだ。命はとらずに人間を殺してしまう。自我の根源を奪う。ジェイミーにとって全てと言える手をナイフひと振りで取り上げる。

ロックはこの尊大な男が楽々と生きているのを見る。問題があれば父親に助けてもらう。人生が思い通りにはいかないものだと、ジェイミーにも思い知らせたい。ネッドの首をはねるのも衝撃だったが、ジェイミーが手を失うのも突然だ。起こるまで誰も予想してない。