ゲームオブスローンズの世界を楽しむための解説

ジョン・スノウ、デナーリス・ターガリエン、ティリオン・ラニスター、サーセイ・ラニスター、ジェイミー・ラニスター。シーズン1から最終シーズンまでの主要人物である5人に関する伏線についての考察。壁の北の戦い、ウェスタロスの鉄の玉座を巡る戦争、デナーリスの玉座奪還の3つの軸のつながりについて。伏線を楽しむための解説。

2018年01月

①託した孤児2人

以前、ウインターフェルへ陳情に来ていた農民に、ブランは孤児2人を託した。

②ジャクエンによる暗殺が波紋をよぶ

犯人がジャクエンだという考えに、たどり着くことが不可能なタイウィンは兄弟団(ブラザーフット)の関与を疑う。そして、マウンテンこと、グレガー・クレゲインが派遣される。クレゲインというのは、あまり馴染みのない名前だが、マウンテンとハウンドの名字である。

③ザロの金庫

執拗に自分の金庫の存在を主張して己の財力を誇示している。どれほどの財宝が入っているのか、見せてもらいたいものだ。

④デナーリスに信頼を求めるジョラー

自分を信じてくれとジョラーは言う。しかし(今は続けていないとしても)彼がデナーリスのことを王都に密告していたという事実は変わらない。

 

【インサイドストーリーより】

サーセイは追い詰めれらた感覚だ。愛するものが奪われていく。敵は力を増し不安は募るばかり。身から出たサビだが、彼女はティリオンに告白する。憎み合っている相手のはずなのに。彼女は弟を愛さず信用してもいない。なのに打ち明け話の相手は彼以外にいないと気づく。いかに絶望的な状況かわかる。

ティリオンの魅力は人が普段見せない人間性を見抜くところだ。前に「壊れた物に弱い」と言っている。今のサーセイがそうだ。姉は秘密をぶちまけたいができず、弟は慰めたいが方法を知らない。2人に親密でぎこちない空気が流れる。今シーズンのハイライトのひとつだ。

ジェイミーが人殺しなのは忘れられがちだ。シーズン1半ばで人を殺したのが最後だったから、そんな一面は忘れられていた。話には出るけれど、実際のシーンはあまりない。でもそれが真のジェイミーで魅力的な悪漢なのは表向きだ。実は怪物か野獣のように殺しを好んでいて、誰よりうまく殺せる。相手は従兄弟で、何の恨みもない好青年だ。話だって盛り上がる。だが同じ檻に入った瞬間、彼を殺すと決めた。

ジェイミーは自分の思い出話にふけりながらも、相手の若者を殺す隙をずっと狙っている。とても邪悪で残酷なシーンだ。ジェイミー役のニコライの演技が光る。

今のシオンはメチャメチャだ、自分の居場所を得たいという衝動が彼を駆り立てている。彼は最初から常にそれを求めていた。そして葛藤のない新たな自分像を得て、すべての決断を下していく。

シオンは人からの評価を気にする。ネッドやロブは天性の指導者で自信が備わっている。皆が従うと思い人々の前に立ち実際そうなる。シオンの場合は違う。指導者の経験がないから緊張感がある。

ジョフリーは悪者だが、シオンは完全な悪者とは決め付けられない。自分のしたことを見たときの顔から、変わったのは一部だけだと分かる。でもそれがより深い心の闇に彼を追いやっている。

①イグリットが初登場

野人の女戦士イグリットと交戦中にジョンはクォリンたちと離れ離れになってしまう。ジョンは合流することができるのか。それともイグリットの仲間に見つかってしまうのが先か。

イグリットはジョンに大きな影響を与えていく存在になる。

②ミアセラ、ドーンヘ出発

ティリオンが裏切り者を探す作戦を実行したとき、パイセルはサーセイにミアセラをドーンに嫁がせることをばらした。この結果、パイセルは牢に入れられることになった。

そして現実として、ミアセラはドーンのマーテル家の太子に嫁ぐことになった。政略結婚に巻き込まれたミアセラは南の地で幸せに暮らすことができるのか。ラニスター家の抱える因縁に彼女もまた巻き込まれる…のちのシーズンでの再登場に注目したい。

③アリア、エイモリー・リーチに捕まる

アリアたちがハレンホールに連行されたとき、指揮を執っていたのがエイモリー・リーチ。そして、ジェクエンは2人目の暗殺を実行。アリアがジャクエンに告げられる名前は、あと1人だけ。

④ルース・ボルトンの落し子

ラニスター家との戦争から離れるわけにはいかないロブの代わりに、ルース・ボルトンの落し子がウインターフェルの奪還に派遣された。シオンは返り討ちにすることができるのか。

嫡男ではなく、落とし子であるという点を覚えておきたい。

⑤ブランとリコン、ウインターフェルを脱出

シオンにとってスターク家の人間を失ったことは、大きな痛手となる。これでスターク家の兄弟は皆、ウインターフェルから去ることになった。兄弟達が再び、わが城に戻ることはできるのだろうか。

 

【インサイドストーリーより】

子供は経験から多くを学ぶ。世間の仕組みをより深く理解する。「誰かにひどいことをすれば同じ仕打ちが返ってくる」と。ジョフリーはこれまで人民を虐げてきた。そして暴虐に対するあからさまな仕返しを初めて受ける。実際に報復を受け、彼はショックを隠せない。幼い頃からしてきたことが返ってきた。

少年ジョフリーは悟る。自分は決して神ではなかったと。これまでと違い、彼が恐怖する一面が見える。この暴動でジョフリーは民衆に脅威を感じ、なおさら本腰を入れて抑圧しようと考える。普通ならこれに目を覚まし自分を省みる。自分の短所を改善しようとするが、ジョフリーはその逆だ。暴君ぶりを増してしまう。

アリアはもはや、か弱い少女ではない。亡き父親は今も、彼女の人生で大きな存在ではあるが。ネッドは誰よりも名誉を重んじ、自らの掟に従う男だったが、そのせいで大勢の民衆の前で首をはねられた。今や生き残ることを第一の命題とする彼女にとって、名誉は弱みとなるものである。

このシーズンでデナーリスは独立独歩を学ぶ。痛ましい経験を通して。夫や血盟の騎手や部族民たちを失う。これまで彼女は、悲願を達成するため様々な男に頼ってきた。だが、胡椒商人にぞんざいに扱われるエピソードで大いに学ぶ。他人は信用できないと。彼女は結局自分の力に頼るしかない。自分以外誰もできないことを、せねばならない。

ドラゴンたちは今やデナーリスのアイデンティティとなった。それを奪われ彼女は昔の自分に戻った。人は何歳になっても昔の自分によって形成される部分がある。デナーリスはかつて虐げられた臆病な子だった。ドラゴンたちを奪われデナーリスには昔の感情が舞い戻った。ドラゴン誕生後に身に着けた自身が消えてしまい、おびえた少女に戻った。

 

①スタニスの影、レンリーを一撃で暗殺

前話のラストで、メリサンドルが生み出した影が鏡から現れ、レンリーを暗殺。メリサンドルのただならぬ能力がひとつ明らかになった。スタニス軍に優位に働いたとはいえ、サー・ダヴォスは彼女の能力に危険性を感じている。

②マージェリーの次なる野望

レンリーは死んでしまったが、さほど悲しんでいる様子はないマージェリー。七王国の王妃になるという野望は果たされるのか?

③ジャクエンがアリアに尋ねる3つの名前

殺して欲しい名前を3人あげろというジャクエン。そして、ラストシーンでは実際に殺している。最後のアリアの微笑が今後の展開を想像させる。殺したい人間がたくさんいるアリアにとって、ジャクエンの暗殺力は大きい。

④最初の人々とは

森の子やホワイトウォーカーとは関係があるのか。

⑤ティリオンとブロン、鬼火(ワイルドファイア)の存在を知る

ジョフリーよりも、知性派のティリオンの方が鬼火を有効に使えそうだ。鬼火は、その強力さゆえ、局面を大きく変化させる。

⑥キャトリンとブライエニー

キャトリンに立てた誓いは今後のブライエニーの生き方の核となる。

⑦ブランの見た夢

「ここに海が来るんだ。城門に波が押し寄せて、水が城壁を越えてくる。城は水浸しに、溺れた人たちがここに浮かんでる。サー・ロドリックも」

ウインターフェルは遠く海から離れている。水がやってくるとはどういう意味か?それともただの夢だったのか。

⑧ザロの金庫の中身

金にものを言わせて相手に要求を飲ませようとする。果たして、その金庫にはどのぐらいの財産が入っているのか。

 

【インサイドストーリーより】

リトルフィンガーは腹の中が読めない。彼の望みを探ろうとすると、想像以上に奥深いものかと混乱する。彼は保身のためにいろいろ保険をかけている。戦がどう転ぶか分からない。皆に友情を示すが誰にも信用されない。何があろうと生き残れるよう繋がりを作ってる。

タイレル家で面白いのは女性が陰で支配していること。タイレル家の男はハンサムだが頼りない。一族を動かす頭脳は女だ。マージェリーは抜け目ない政治家になってる。悪い意味で狡猾な女性とは思わないが政治に関わりたいタイプだ。彼女はサーセイとはまた違って、もっと安定していてあれほど破綻していない。慎ましやかな顔を装うことができるし、周囲に見せるべき顔も心得て「仮面」を外すこともできる。

今なら少年の憧れはスポーツ選手だが、この世界で崇められているのは偉大な戦士。「二本指のクォリン」がそうだ。それでもクォリンは気負ったところがない。特殊部隊の精鋭みたいなものだ。クォリンもモーモント同様、ジョンの中に真の指導者の素質を見ている。モーモントがジョンに用意した道は刺激的だ。指導者への道だが、長く時間がかかる。モーモントが設定したゴールははるか未来にあるが、クォリンとならジョンが望む外の世界が見られる。彼には魅力だ。クォリンと行くのがジョンにとっては早道だ。

ブランは父が去ってから置き去りだ。戻ると約束した父は戻らず、母の不在の訳も理解できない。なぜ母は戻らないのか混乱してるだろう。幼い弟はなおさらだ。両親に突然、見捨てられて納得などできるわけがない。ブランは自分の役割を考えあることに気づき始める。普通の人間とは違い不思議な夢を見る力があると。多くの重責が彼にのしかかる。彼はもう自分を納得させるしかない。手綱を握るのは自分しかない。

①ルース・ボルトン登場

ロブに戦況を説くおじさん。ボルトン家には生きたまま皮を剥ぐという慣習がある。これまで視聴者が慣れ親しんできたキャラクターもその被害にあう。スターク家の命運を握る人物であり、彼のこの後の行動に注目したい。

②タリサが初登場

ラニスター兵の看病をしている。ロブとは、これから恋仲に発展するのかとも思わせるが、ウォルダー・フレイに南への進軍の条件として、終戦後に彼の娘との結婚を約束していることを忘れてはならない。

③アリアが寝る前に唱える名前

ジョフリー(ネッド殺害の命令を出したし、それ以前から憎んでいた)、サーセイ、イリーン・ペイン(ネッドの首切りを執行した)、ハウンド(王都へ向かう途中、アリアの狼ナイメリアがジョフリーを傷つけた件で、アリアの剣の稽古仲間を殺した)。これらは全て、アリアが殺したいと思う人間たちのリスト。彼女のリストが果たされる日は来るのか?

④ランセル・ラニスター

ロバートの従士をしていた頃からすると、サーセイの庇護の下、だいぶ強気になっている。しかしティリオンには通用しなかった。彼もまた、王都での争いに巻き込まれ、ボロボロになっていくひとりである。

⑤サー・ダヴォスと”紅の女祭司”メリサンドル

ふたりとも、スタニスを王にしたいという気持ちは同じ。メリサンドルのスタニスへの進言はダヴォスにとって理解できるものではない。しかし、彼女の魔術を目の当たりにしたダヴォスはどう思うか。

この2人の関係は、シーズン6で大きく局面の打開を起こす。

⑥メリサンドルが生み出した影

以前、スタニスに息子をあげると言って関係をもったメリサンドル。息子とはこういうことだった。

⑦タイウィンの兵が執拗に追う兄弟団(ブラザーフット)とは?

【インサイドストーリーより】

ボルトンら一部の旗手は捕虜は邪魔だと考える。野営地には大勢を収容できる牢がなく、捕虜に与える食料も十分にはない。平民は殺し、貴族だけ生かして身代金を取るか、拷問し情報を得るほうがいい。

ロブの考え方は「ジュネーブ条約」だ。戦で捕らえた者たちを人道的に扱おうとする。ロブとボルトンの反応の違いが見て取れるのは、タリサがラニスター兵を手当てしているときだ。ボルトンの顔には嫌悪の表情が浮かぶ。「敵を治療するなどヤワだ」と。ボルトンは血も涙もない男に見えるが、考えには一理ある。勝たねばならない戦がある。冷酷な決断も下さねばならない。

今シーズンではアリアの変移が描かれる。ハレンホールへ行く頃にはもはや愛らしい女の子ではない。家族を不当に扱った殺すべき連中の名をつぶやく。一連の名前は祈りの文句のようになる。いつか父の敵を討つまで安眠はできない。

死を目の当たりにしても恐怖は見せない。鋼を鍛えるように怒りを増幅させるだけだ。ハレンホールから抜け出すために衛兵の一人でも殺しそうな予感がする。

スタニスとレンリーが対峙する場面は、まるでシーソーだ。兄弟は和睦を結ぶか、血みどろの戦いをするかの瀬戸際だ。大勢の犠牲者を出す戦に発展するか否かの分かれ目だ。まるで仲の悪い10代の男子のケンカだ。個人的な敬意が表れている。キャトリンは悟っている。和睦に失敗すれば、王たちがどうなるかを。

統治に関して、レンリーはスタニスよりも現実的な考えを持っている。だが弟から正当な継承権を否定されてきた。レンリーは指摘する。視聴者や原作の読者には分かっていることだが「ロバートもターガリエン家も正当な王ではなく、征服により王位に就いた」と。レンリーは主張する。自分の軍勢は兄の軍の比ではないと。自分の方が立派な王になると。確かにスタニスよりはマシだろう。スタニスには民への愛が欠けているように思われるから。

①ブランの能力と森の子

ブランが語る夢のような体験は、狼の行動そのものである。ばあやが言う、動物と一体となれる能力は本当にあるのかもしれない。

森の子は、ホワイトウォーカーとも深く関係している。メイスターは「ドラゴンは消え」と語るが、現実としてデナーリスの元にいる。では巨人も森の子も本当にいなくなってしまったのか?

②マージェリーとブライエニーが初登場

レンリーの隣にいる女性がマージェリー。ロラス・タイレルの妹である。この作品の登場人物の中でも、出世欲の強い女性といえる。

ロラスを破ったのがタースのブライエニー。発情した馬を使ったという事情はあるにせよ、馬上槍試合でマウンテンを破ったロラスに勝ったということで、彼女の強さが分かる。ある出来事をきっかけに、スターク家と深く繋がることになる。今後の活躍に注目してもらいたい。

③ロラスとレンリーの危険な関係を認識していたマージェリー

この事実は彼女の命取りになる。上昇するためなら清濁を併せ呑む、彼女の信念の強さが伺える。

④ロブへの手紙を燃やすシオン

このとき、シオンがスターク家と共に歩む道は閉ざされた。もうひとつの家族であるスターク家を裏切ったシオンは本当に割り切れているのか?彼の葛藤はまだ終わりでないのかもしれない。

⑤アリア、ジャクエンを救う

火に迫られ逃げ場のないジャクエンはアリアに助けられる。アリアを見つめるジャクエン…彼は一体何者なのか、アリアにどんな影響を与えていくのか。

 

【インサイドストーリーより】

3つのシーンが連なり、ティリオンは3人(パイセル、ヴァリス、リトルフィンガー)に同じ罠を仕掛ける。彼は、姉の情報源であり前「王の手」を裏切った犯人を知りたい。ティリオンの機知が表れたシーンだ。3シーンが合わさり全体が成り立つ。彼は3人に敬意を払っている。好意があるとは言えないが、油断ならないだけに敬意を払う。情報を得るだけでなく分からせたい。誰が新しいボスでどんなやり方をするか。ゲームのルールを思い知らせる。

男女差別は根深く、女の騎士はあり得ない世界だ。ブライエニーのような名家の娘は嫁ぐのが当然。ロラスのように戦うことは期待されていない。常に力を示す必要があり、実際男を上回っている。有名な戦士ロラスを倒すのだから。

男が力を持つ世界だが、ブライエニーがいた所では夢を追うのが許された。自分を変えずに済んだ。好きなことを許されたアリアと同じだ。キャトリンに言葉はないがブライエニーの言葉を聞きいい表情をする。アリアを思い出している。ずっと会っていない愛する娘を。ブライエニーとアリアは別人であるが、ブライエニーはアリアが憧れた姿だ。キャトリンは2人の女剣士を重ね合わせている。

違う立場の人間になりたいと思う気持ち。それは誰しもが持つ欲求だ。その感情は普遍的に思われる。そしてシオンはそのいい例だ。家族には忠実でなくてはならない。ロブは母の忠告通り、シオンの元へやるべきじゃなかった。彼の忠誠が揺らぐことを懸念して。原作でもドラマでもシオンの役どころは面白い。そして決断を迫られる、手紙を燃やす場面ができた。象徴的な者を使うことで見た人は共通の感情を覚える。言葉では語らず、燃える手紙がすべてを語る。

燃える手紙がすべてだ。でも彼の洗礼を受ける場面が彼の選択を明確にし、家族に受け入れられる意味の大きさが分かる。それまで彼には真の家族として受け入れられた記憶はない。セリフがないのに多くが語られる場面だ。

 

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